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近年、日本の住宅ローン市場に少しずつ変化が見られるようになっています。これまで低金利が続いていた影響で、多くの人が変動金利型の住宅ローンを選んできました。しかし最近は金利上昇の動きが続いており、その影響がローンの選び方にも表れ始めています。
住宅金融支援機構は2026年1月、2025年4月から9月の間に住宅ローンを利用した人を対象に実施した調査結果を公表しました。この調査からは、金利上昇が住宅ローン利用者の判断にどのような影響を与えているのかが見えてきます。
まず注目されるのが、住宅ローンの金利水準の変化です。これまで多くの人が利用していた「年0.5%以下」の金利帯は大きく減少しました。その一方で増えているのが「年0.5%超〜1.0%以下」の金利帯で、全体の半数以上を占めるまでに拡大しています。これは金融機関が変動型の金利を引き上げた影響が大きいと考えられます。
さらに「年1.0%超〜1.5%以下」の金利帯も増加しており、住宅ローンの金利が徐々に上昇している様子がうかがえます。こうした状況の背景には、日本銀行がマイナス金利政策を終了し、政策金利を段階的に引き上げていることがあります。
次に見ておきたいのが、住宅ローンの金利タイプの変化です。これまで圧倒的に多かった変動金利型ですが、最新の調査では利用割合がやや減少しています。前回の調査では79%まで増えていた変動型が、今回は75%まで下がりました。
一方で、一定期間金利が固定される「固定期間選択型」や、借入期間全体の金利が固定される「全期間固定型」の利用が増えています。変動金利は通常、年に2回見直される仕組みのため、金利上昇局面では将来の返済額が増える可能性があります。そのため、より安定した返済計画を重視する人が増えたと考えられます。
返済期間にも変化が見られます。もっとも多いのは「30年超〜35年以内」で、およそ4割を占めています。ただし全体的に見ると、返済期間を短めに設定する傾向も見られるようになりました。返済期間が長くなるほど利息の総額が増えるため、金利上昇リスクを意識した選択といえるでしょう。
ただし一方で、「35年超〜40年以内」や「40年以上」といった超長期ローンも一定数存在します。これらを合わせると全体の2割以上となっており、月々の返済額を抑えるために返済期間を長くするという選択をした人も少なくありません。
超長期ローンの場合、返済初期は利息の割合が高く、元金がなかなか減らないという特徴があります。そのため、長期間の返済計画を立てる際には、この点も理解しておく必要があります。
今回の調査では、日本銀行の金融政策の変化が住宅ローン選択に影響を与えたかどうかについても質問が行われました。その結果、約半数にあたる49.7%の人が「影響があった」と回答しています。前回調査よりも割合が増えており、金利の動きが住宅購入の判断に強く関わるようになっていることが分かります。
具体的な対応としては、「借入額を減らす」という選択をした人が約1割いました。借入額を減らすことで利息の負担も月々の返済額も抑えることができますが、その分住宅の予算を見直さなければならないという側面もあります。
また、「返済期間を長くする」という人も一定数いました。返済期間を延ばすことで月々の負担は軽くなりますが、支払う利息の総額は増える可能性があります。逆に返済期間を短くすると利息は減りますが、月々の返済額は増えるため、それぞれの家庭の状況によって判断が分かれるところです。
今後さらに金利が上昇した場合、住宅ローンの返済はどのような影響を受けるのでしょうか。調査では、毎月の返済額が増えた場合の対応についても質問されています。
その結果、月々の返済額が1万円程度増える場合であれば、約6割の人が問題なく返済を続けられると答えています。しかし、増加額が3万円や5万円になると、「どう対応すればよいか分からない」という回答が最も多くなりました。つまり、大幅な返済額の増加に対する具体的な対策を考えていない人も多いということです。
例えば、4000万円の住宅ローンを35年で借りたケースを考えてみます。最初の金利が0.6%で月々の返済額が約10万5000円だった場合、3年後に金利が1.6%に上昇すると、月々の返済額は約12万2000円になります。さらに6年後に金利が2.6%まで上昇すると、返済額は約14万円近くに増える計算です。
このように、金利が段階的に上がることで返済額も徐々に増えていきます。変動金利には急激な返済額の増加を防ぐ仕組みが設けられていることもありますが、長期的に見れば負担が大きくなる可能性は否定できません。
もし返済額が増えた場合、繰り上げ返済や借り換えといった方法が考えられます。ただし繰り上げ返済にはまとまった資金が必要ですし、借り換え先の金利も同様に上昇している場合、思ったほど返済額を減らせないこともあります。
こうした状況を踏まえると、住宅ローンを検討する際には将来の金利変動を見据えた資金計画が重要になります。借入額を抑えたり、一定期間金利が固定されるローンを選んだりするなど、リスクを分散する考え方も必要になるでしょう。
日本では物価上昇の影響もあり、金利は長期的に上昇方向へ向かう可能性が指摘されています。今後の金融政策によってペースが変わる可能性はありますが、住宅ローンを検討する際には金利上昇の可能性を前提とした計画を立てることが、安心した住まいづくりにつながるといえそうです。
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