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「おしっこの切れが悪い」放置は危険?前立腺肥大症のサインと受診の重要性
加齢とともに、「尿の勢いが弱くなった」「出し切れていない気がする」といった排尿の変化を感じる人は少なくない。こうした違和感の背景にある代表的な疾患が、前立腺肥大症だ。専門家は「単なる老化と決めつけず、早めの受診が重要」と警鐘を鳴らしている。
■ 排尿トラブル、その正体は
「おしっこの切れが悪い」とは、排尿後に残尿感がある、尿が出終わるまでに時間がかかる、最後にポタポタと続くといった状態を指す。以前より排尿がスムーズでないと感じた場合、身体の変化に気づくきっかけになる。
主な原因は、尿道が狭くなることだ。中でも加齢によって前立腺が大きくなり尿道を圧迫する前立腺肥大症が代表的とされる。加えて、骨盤底筋の衰えや膀胱の収縮力低下、神経機能の変化、さらには飲酒や肥満、高血圧といった生活習慣も影響する。
また、前立腺肥大症だけでなく、前立腺炎、尿道狭窄、神経疾患や糖尿病などが原因となる場合もあり、症状だけでの自己判断は危険だ。
■ 放置すれば腎機能にも影響
排尿トラブルを放置すると、膀胱に尿が残りやすくなり、感染症のリスクが高まる。さらに尿の流れが悪い状態が続けば腎臓に負担がかかり、腎機能低下や腎不全へと進行する可能性もある。
初期は軽い違和感でも、進行すると尿失禁など日常生活に大きな支障を及ぼす恐れがある。症状が続く場合は、早期の対処が求められる。
■ 前立腺肥大症とは何か
前立腺肥大症は、男性特有の臓器である前立腺が加齢に伴って肥大し、尿道を圧迫することで排尿障害を引き起こす良性疾患。通常クルミ大の前立腺が徐々に大きくなり、50代以降で患者が増加する。
主な症状は、尿の勢い低下、残尿感、頻尿、夜間頻尿など。ただし前立腺の大きさと症状の強さは必ずしも一致しない。
なお、前立腺がんとは別の病気だが、症状が似ており併発の可能性もあるため、検査による鑑別が不可欠だ。
■ 受診で何が分かるのか
泌尿器科ではまず問診を行い、排尿状態を点数化して評価。そのうえで尿検査や超音波検査により、感染の有無や前立腺の大きさ、残尿量を確認する。
必要に応じて、血液中のPSA検査を実施し、前立腺がんの可能性を調べる。さらに尿の勢いを数値化する尿流測定や、膀胱鏡による詳細検査が行われることもある。
■ 治療は生活の質を高めるために
治療は大きく分けて薬物療法と手術療法がある。薬は症状緩和が目的で、前立腺を大きく縮小させる効果は限定的。一方、手術は肥大した前立腺を物理的に縮小し、根本的な改善を目指す。
近年は体への負担が少ない低侵襲治療も普及し、治療の選択肢は広がっている。ただし、前立腺肥大症は緊急性が低い一方で進行性の疾患。治療のタイミングを逃すと、膀胱機能の低下などにより治療効果が得にくくなる可能性もある。
■ 「年齢のせい」と流さないで
排尿の悩みは日常的であるがゆえに軽視されがちだ。しかし、その違和感は体からの静かな警告でもある。
症状が1〜2カ月続く場合は、専門の泌尿器科を受診し、適切な検査と診断を受けることが重要だ。放置するか、向き合うか――その選択が、将来の生活の質を大きく左右する。
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